指定野菜に登録となった「ブロッコリー」👀指定野菜とは?栄養素が豊富なブロッコリーを大解剖

2024年1月22日、農林水産省が2026年よりブロッコリーを「指定野菜」に追加する方針であると発表しました。ブロッコリーはこれまで、指定野菜に準ずる「特定野菜」に含まれていましたが、指定野菜への昇格となります。

指定野菜とは

全国的に流通し、特に消費量が多く重要なものとして、国が指定している野菜のことです。

具体的には、野菜生産出荷安定法(昭和41年法律第103号)第2条において「消費量が相対的に多く又は多くなることが見込まれる野菜であって、その種類、通常の出荷時期等により政令で定める種別に属するもの」と定義されており、現在、以下の14種類(30種別)が指定野菜として定められています。

  1. キャベツ(春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツ)
  2. きゅうり(夏秋きゅうり、冬春きゅうり)
  3. さといも(秋冬さといも)
  4. だいこん(春だいこん、夏だいこん、秋冬だいこん)
  5. トマト(夏秋トマト、冬春トマト)
  6. なす(夏秋なす、冬春なす)
  7. にんじん(春夏にんじん、秋にんじん、冬にんじん)
  8. ねぎ(春ねぎ、夏ねぎ、秋冬ねぎ)
  9. はくさい(春はくさい、夏はくさい、秋冬はくさい)
  10. ピーマン(夏秋ピーマン、冬春ピーマン)
  11. レタス(春レタス、夏秋レタス、冬レタス)
  12. たまねぎ
  13. ほうれん草
  14. ばれいしょ

「指定野菜」の追加は、1974年にばれいしょ(所謂「じゃがいも」)を追加して以来、およそ半世紀ぶりです。

ブロッコリーが登録された背景には、人口減少などで多くの野菜の出荷量が減少している中、ブロッコリーの栄養が豊富な点、食べやすく調理が簡単な点から、この10年で出荷量が3割近く増えており、国民生活にとって重要性が増したということから、追加に至ったということです。


ブロッコリーの主要な栄養素

ブロッコリーは、私たちの生活にとても馴染み深い緑黄色野菜の一つです。茹でてマヨネーズをつけて食べたり、シチューやグラタン、お弁当の彩りにも欠かせない野菜ですよね。

豊富な栄養素が含まれていると言われていますが、一体、どのような栄養素があるのでしょうか?ブロッコリーに含まれる主要な栄養素には以下のようなものがあります。

  • たんぱく質
  • 炭水化物
  • ビタミンA(βカロテン当量)
  • ビタミンC
  • ビタミンK
  • カリウム
  • 食物繊維
  • 葉酸

これだけ見ても、様々な栄養素があることがわかります。その中でも、特に着目していただきたい栄養素はこちらの3つです。

  • 食物繊維

ブロッコリーの食物繊維は、「不溶性食物繊維」が多くを占めています。これは、便のかさを増やすことで腸を刺激して排便を促す作用があります。便秘や軟便などおなかの調子が悪いときには、ブロッコリーを食事に取り入れると効果が期待できます。

  • カリウム

カリウムは、摂りすぎた塩分を体外に出してくれます。無意識に塩分過多になりがちな現代人の食生活。ブロッコリーを取り入れることで、むくみや高血圧の予防にもつながります。

  • 葉酸

葉酸は植物の葉に多く含まれ、黄色結晶で光や熱に不安定な物質です。ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」といわれています。また、代謝との関わりも深く、細胞の分裂や成熟にも大きく関わることから、特に胎児にとって重要な栄養成分です。妊娠中の女性が葉酸を多く摂取した方が良いと言われるのはそのためです。もちろん、妊娠前から積極的に取り入れたい栄養素でもあります。


ブロッコリーの種類

私たちのテーブルに比較的多くあがる緑色のブロッコリーは、ブロッコリーの花蕾(からい)と呼ばれるつぼみの部分と茎です。ブロッコリーには品種改良で様々な種類があり、そのどれもが市場で購入することができるものになりました。


  • スティックセニョール(茎ブロッコリー)

細長い茎が特徴のブロッコリーです。中国野菜の芥藍(かいらん)とブロッコリーをかけ合わせて誕生した野菜で、別名「茎ブロッコリー」とも呼ばれています。アスパラガスとブロッコリーを組み合わせたような見た目をしています。茎はコリコリとした食感で、ほんのりと甘味があります。

【美味しい食べ方】

一般的ブロッコリーと同じように、そのまま茹でて食べても美味しいですが、癖のない味わいですので、サラダやスープ、お肉料理の付け合わせにもよく合います。また、肉巻きや炒め物でも楽しむことができます。

  • カリフラワー

地中海東部沿岸が原産地といわれるキャベツの仲間で、ビタミンCが豊富 です。ブロッコリーが突然変異によって白くなったものが、カリフラワーです。ブロッコリーと同様に、花蕾(つぼみ)の部分を食べます。白が定番ですが、オレンジや紫色などのカラフルな品種も登場しています。

【美味しい食べ方】

カリフラワーの鮮度はあまり長持ちしません。そのため、生で食べる際にはお早めに。生のままピクルスにしたり、薄切りにしたサラダは生の味を楽しむこともでき、栄養もそのまま吸収できます。また、ブロッコリーは房を分けて茹でますが、カリフラワーは小房に分けると、ぽろぽろと崩れてしまうため、一房のまま茹でるのが良いでしょう。

カリフラワーのビタミンCは、生の状態だとブロッコリーより少ないですが、茹でると、ほぼ同量のビタミンC量となります。茹でるときは、少し硬めに茹でるのがおすすめです。

  • ロマネスコ

正式には、イタリア語で「ブロッコ・ロマネスコ」と言い、イタリアやローマが原産と言われるカリフラワーの仲間です。サンゴのような特徴的な形で、「世界一美しい野菜」といわれています。また、ロマネスコもブロッコリーやカリフラワーと味や食感は似ています。

なかなか手に取ることも少ないかもしれませんが、ブロッコリーやカリフラワーと同じく、とても味わいやすい野菜です。次回店頭で見かけたら、手にとってみてはいかがでしょうか?

  • ブロッコリースプラウト

「スプラウト」とは新芽を意味します。つまりブロッコリーの新芽です。食用新芽としては、かいわれ大根がなじみ深いですね。ブロッコリースプラウトの栄養価も注目すべき点が多く、野菜不足の現代人には少量で栄養素を摂取できるサプリメントのような存在になると思います。

ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーに微量に含まれる、植物由来の化学成分「スルフォラファン」を成熟ブロッコリーの20倍以上含んでいます。聞き慣れない言葉が続きますが、このスルフォラファンは、解毒力や抗酸化力を高める作用があると報告されており、がんの予防に効果があると言われています。加熱によって吸収率が下がってしまうので、より効率良く摂取するには、生のままサラダなどに加えて、「よく噛んで」食べるのが効果的です。


ブロッコリーの上手な茹で方

ブロッコリーのもっともシンプルな食べ方は、前述した通り、「そのまま茹で」て食べることではないでしょうか。ご家庭によって茹で方は異なるかもしれませんが、栄養素を逃がさない、上手な茹で方、ここでは「蒸し茹で」をご紹介します。

栄養素は、茹でると生の状態に比べ少なくなってしまいますが、蒸し茹ではできるだけその栄養を逃がさずに調理することができ、おすすめです。

  1. ブロッコリーは小房に切り分けます。茎は捨ててしまいがちですが、栄養は豊富に含んでいますので、厚めに皮を切り落とし、5mm幅に切って使います。
  2. 蓋つきのフライパンにブロッコリーを入れ、大さじ3から4の水を加えます。塩小さじ1/4を全体にふり、蓋をして中火で3〜4分ほど蒸します。
  3. さっとひと混ぜしたら、さらに約2分蒸し焼きにします。
  4. ゆで上がったらざるにあけ、水けをきります。水にさらさず、自然にさますのがコツです。

2026年以降、指定野菜として出荷量もこれまで以上に安定的に供給される見込みのブロッコリー。YACYBERにもブロッコリーの生産者様は多数いらっしゃいます。その中で、今回ご紹介したいのは、埼玉県上里町にある、『ブロッコリーとカリフラワー』を栽培・販売をしている、「戸塚農園」様です。

・YACYBERプレゼンツ 笠井信輔と如月蓮のアグリなカルチャー!(第96回ご出演):https://podcast.1242.com/show/yacyber/

・戸塚農園様HP:https://www.tzfarm.jp/

・戸塚農園様YouTube(アグリなカルチャー):https://www.youtube.com/watch?v=ypa0EQBEVvQ

ブロッコリーは茹でた後、冷凍保存も可能です。ブロッコリーが皆様の食卓にこれまで以上に並ぶことで生産者の方たちのさらなる生産意力にもつながっていくものと思われます。