栄養ぎっしり「春野菜」に元気をもらおう!春野菜の栄養素や調理するときのポイントをご紹介🥔🫛

暖かい日差しの日が増え、店頭にも春キャベツや新玉ネギ、菜の花、たけのこなど、今しか食べられない春の野菜が並んでいます。

毎年この季節は、春の野菜を楽しむことができる貴重なシーズンです。「春野菜」と聞くと、甘味が豊富だったり、葉が柔らかかったり、普段食べている野菜とは少し味わいが違います。それはなぜなのでしょうか?

春野菜とは

春野菜の特徴は、寒い冬を耐え抜いて旬を迎えているため、栄養が非常に豊富に含まれていることです。また、ふきのとうやたけのこ、タラの芽などの山菜はこの時期しか食べることができませんが、それらの野菜には独特の「苦味」があり、これもまた春野菜の特徴のひとつです。

代表的な春野菜

  • 春キャベツ
  • 新たまねぎ
  • 新じゃがいも
  • 菜の花
  • そら豆やスナップエンドウ
  • たけのこ
  • アスパラガス
  • ふきのとう、タラの芽などの山菜

春野菜と通常の野菜の違いや栄養素

キャベツや玉ねぎ、じゃがいもは、比較的通年通して店頭で購入することができる野菜です。では、春野菜のそれらは、普段食べているものとどんな違いがあるのでしょうか?

  • 春キャベツとキャベツ

〇春キャベツ

  • 見た目が丸い(少し小さめ)
  • 色は鮮やかな黄緑色
  • 葉と葉の間隔がゆるく、ふわっとしている
  • 水分を多く含み、葉が柔らかい

〇キャベツ

  • 見た目は楕円形
  • 色は淡い黄緑色
  • 葉と葉の間隔がギュッと詰まっている
  • (春キャベツに比べると)水分が少なく硬い

〇栄養素:「ビタミンC」

キャベツの主な栄養価は、ビタミンC・ビタミンK・ビタミンU・カロテン・葉酸・食物繊維ですが、その中でも特にご紹介したいのは、「ビタミンC」です。抗酸化作用がありストレス解消や免疫力の向上などに繋がります。ビタミンCは熱に弱く、加熱する事で栄養が破壊されてしまいますが、春キャベツは生食が向いている為、栄養価を損ねる事なく効果的に摂り入れる事ができます。また、ビタミンCは水溶性の為、切ってから水にさらすと栄養が逃げてしまいます。キャベツは洗ってから切るようにしましょう。

春キャベツは、葉の柔らかさや水分の多さが特徴で甘味が強いです。反対にキャベツは、葉の間隔が詰まっているもののほうがよりおいしく、生で食べるより火を通して食べるのがおすすめです。

・新玉ねぎと玉ねぎ

〇新玉ねぎ

  • 表面につやがあり、色は白っぽい
  • 収穫してすぐ出荷するため日持ちしない
  • 辛味が少なく甘味が強い
  • 柔らかく生でも食べられる

〇玉ねぎ

  • 皮は乾燥していて、オレンジ色
  • 収穫後1ヵ月程度乾燥させるため、腐りにくく日持ちする
  • (新たまねぎに比べると)辛味が強い
  • 硬さがあり、生食にあまり向かない

〇栄養素:「硫化アリル」「ケルセチン」

玉ねぎを食べると血液がサラサラになるというフレーズはよく耳にしたことがあるかもしれませんが、これは「硫化アリル」の効果です。血栓や、動脈硬化など、血液や血管に影響する多くの生活習慣病を予防する効果があります。「ケルセチン」は、抗酸化作用のある栄養素で、ガンや生活習慣病を予防する効果があります。

また、新玉ねぎも玉ねぎも栄養素に違いはありませんが、新玉ねぎは日持ちしないこともあり、栄養を逃さずに早めに食べるのがポイント。新玉ねぎの栄養を丸ごと吸収するためには、「空気にさらすこと」そして「火を加えすぎない」ことです。玉ねぎは辛みがあるため、水にさらして辛みを取ることがありますが、実は栄養素も損なわれてしまいます。新玉ねぎは、実が柔らかくて水分も豊富で甘みがあるので、普段はなかなか生で食べづらい方も、玉ねぎもこの時期だからこそ生で食べてほしい野菜です。

・新じゃがいもとじゃがいも

〇新じゃがいも

  • 春~夏にかけて収穫し、完熟前に収穫
  • 水分量が多く、皮も実も柔らかい
  • 収穫後すぐ出荷するため、日持ちしない

〇じゃがいも

  • 秋~冬にかけて収穫し、完熟後に収穫
  • (新じゃがいもに比べると)実が固く、デンプンを多く含む
  • 収穫後にしばらく保存してから出荷するため保存がきく

〇栄養素:「ビタミンC」「カリウム」

じゃがいもに含まれている栄養素は、カリウム、ナイアシン、ビタミンB1、ビタミンCなどがあり、ビタミンCは特に豊富に含まれています。新じゃがいもの特徴として、皮も実も柔らかく、皮まで食べられるのがポイントです。栄養素は皮の近くに多く含まれているので、新じゃがいもを食べるときは皮まで食べるのがおすすめ。

「ビタミンC」は、キャベツにも豊富に含まれていますが、新じゃがいもにも多く含まれており、通常のじゃがいもの4倍近く多い含有量です。

また、「カリウム」は、体内の塩分を排出し、むくみ解消効果が期待できます。


実は春が旬の野菜たち

店頭に並んでいても春野菜とは気づかないことがあるかもしれませんが、実は春が旬の野菜はいくつかあります。店頭で見かけたら、是非手に取ってみてください。

  • のらぼう菜

あまり聞き慣れない方もいるかもしれません。

菜の花に似た見た目をしているアブラナ科の野菜で、東京都の西多摩地区で栽培される東京江戸野菜です。見た目は菜の花に似ていますが、菜の花と比べて苦みやクセが少なく、食べやすいのが特徴です。また、茎の部分は甘く、アスパラガスのような程よい歯ごたえがあります。

  • クレソン

クレソンは1年通して店頭で見かける野菜ですが、実は収穫の旬は、3月から5月。食べるとピリッとした辛みがあり、お肉料理の付け合わせなどに使いますね。アメリカでは、スーパーフードとして長年親しまれているそうです。食物繊維が豊富なので食べるとおなかがゆるくなることもあるので注意!

  • ふき

ふきは、春に採れる山菜のひとつです。地下茎から多くの葉柄を立てて、一部は切れた丸い大型の葉をつけます。絵本などのお話の中で、ふきを傘に見立てているシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ふきのとうとふきは、別物で、ふきのとうはふきの花のことです。また、ふきのとうが成長してもふきにはなりません。2~3月に、先にふきのとうが出てきて、その後、4~6月に、別のところからふきが出てきます。ふきのとうを採らずに成長を待っていても、ふきにはならないのです。花と葉柄が、別々の時期に別々のところから出てくる、なんとも面白い食材です。

ふきの多くは水分で、鮮度がとても大事です。あくも強いので、あく抜きは必須です。茹でた後、皮を向いたら、保存容器に入りやすい長さに切り分け、必ず水につけたまま冷蔵してください。毎日水を取り替えれば、5日ほどは保存可能です。


春に限らず、野菜には旬の時期が必ずあります。旬の野菜をその時期に食べることは、味が美味しいだけでなく、含まれる栄養素が増えたり、普段は味わえない食感を楽しむことができたり、食材の持つエネルギーを体感できることだと思います。

是非、春野菜のぎゅっと詰まった魅力を食卓でお楽しみください。