《取材レポート》第4回田植え体験会「大木米を実らせ隊」

2019年6月9日 (日) に開催された、みんなのまちづくり隊主催 第4回 田植え体験会「大木米を実らせ隊」を取材させていただきました。


第4回 田植え体験会「大木米を実らせ隊」

泉佐野市大木地区にて、
みんなのまちづくり隊主催の大木米の田植え体験・意見交流会が行われました。
約30人の参加者は、大木の雄大な景観の下、
子どもから大人まで皆ワイワイと楽しそうに田植えを行っていました。
子どもたちは泥だらけになりながら、田んぼにいるカエルやバッタなどの生物と触れ合いも楽しんでいました。
自然豊かな町だからこそできるこのような体験は、子どもたちが大きくなっても、忘れることはないのだろうと感じました。

また、田植え後の意見交流会では、昨年収穫された大木米で作られたおにぎりを食べながら、
まちづくり隊の皆さんのお話しを聞かせて頂いたり、参加者が感想を述べあったりと、とても充実した時間でした。


主催者のみんなのまちづくり隊についてご紹介します。

みんなのまちづくり隊
~一歩先の未来へ続く南大阪のまちづくり~

・2015年4月設立
・理念
 子どもから高齢者まですべての人たちが
 その持てる能力を発揮し
 自分らしく輝き充実して暮らせるまちをみんなの視点で創り出そう

http://minmachi2016.seesaa.net/

そして今回、まちづくり隊の隊長を務める袋谷幸宏氏と、監事の大和屋貴彦氏に
お話しを伺うことができました。

隊長 兼 建築部隊 袋谷 幸宏(むてんかスタイルふくろや)

Q:みんなのまちづくり隊はいつごろから ?
A:4年前からです。

Q:泉佐野市の中で大木地区を選んだ理由とは ?
A:農村の景観※①
さっき田植えしていて思ったと思うんですが阻害するものがない 、
大声上げても邪魔しない 、一番空気がよい、綺麗。そういうところがいい。
この素晴らしい景観と人がいる町を少しでも多くの方々に知ってもらいたいことと、
過疎化で人口が減っていて、地元の方も若い人を呼びたいですし、出ていった人を呼び戻したいですし、そういうことを思ってても思ってるだけじゃだめで。仮に東京へ行ってしまった人が戻ることもきっかけがないと戻れない。呼んでほしい人もきっかけがないと呼べない。その橋渡しを僕らができればと思っています。

※①大木地区は文化的景観「日根荘大木の農村景観」として平成25年10月17日に大阪府初の重要文化的景観に選定されています。
参照元:泉佐野市HP

※①文化庁「日本遺産(Japan Heritage)」「旅引付と二枚の絵図が伝えるまち—中世日根荘の風景ー」として令和元年5月20日に認定されました。
参照元:日本遺産 ポータルサイト

ただ、単に過疎化の村を盛り上げようというのは全国どこでもやっていることなので、 それをちょっとでも何か特徴があるようにしたいということで、
僕はたまたま(仕事の家づくりが)無添加スタイル※②として住から始まってますが、
世の中の人は無添加といえば食べ物や洗剤や衣類など実際の暮らしの衣食から入る方たちが多い。せっかくこっちに来て住むただ単なる健康な町ではなく、衣食住の本質を根本から考えた上でこの町に合ったものにし、無添加という言葉が皆さんにより浸透しやすいように、「オーガニックタウン」と名前をつけた構想を掲げています。
健康、手づくり、文化・芸術、サスティナブル(持続可能な暮らし)、体験をコンセプトととして、この村で実現したいと思っています。そういう通過点、きっかけとしてこのイベントを行っています。

※②むてんかスタイルふくろや
参照元:むてんかスタイルふくろや

Q:今後まちづくり隊をするにあたって泉佐野市全体で取り組みしていくと思うのですが、展望は?
A:とりあえずはこの大木地区をオーガニックタウンへの実現が自然とできればいいんですが、
それをしていくには僕らが一生懸命頑張るだけではだめなんで、核となる人物が大事でそういう人たちに住んでほしい。関東の方では成功しているところがあって、神奈川県の藤野町。これはアーティストさん、絵を描く有名な方が田舎に住んでそこからスタートしたと聞いています。核となるそういう特徴のある人が入って下さると助かりますね。芸術を通じて広がっていく。

監事 兼 教育部隊  大和屋 貴彦 (泉佐野市会議員)

Q:立ち上げのきっかけは ?
A:自分が政治家という立場でこの場所(大木地区)で演説をしたときに、この空気感はこれからの時代において求められるなと思い、この場所でカフェをやった場合、いろんなモノ・コトの価値観が変わりますよ、と訴えていたのを、地元の方々が聞いてくれていて、後程いつやってくれるの?となって、実行します、というのがきっかけです。
泉佐野市の観光と住環境の最後の起爆剤なるのがここだと思ってるんですけど、ここは手を入れないと絶対起爆剤になりえないので、2030年問題※①に備えてここがしっかりと他のモデルより先に生き残れるモデルとして構築できればいいかなと思ってます。

※①高齢者の人口が全人口の半数となり、労働力の低下、地域の過疎化などの問題
参考資料:内閣府

Q:いつぐらいを目処にどのようにしていきたい と考えていますか?
A:ちょうど今で5年たつので今年が勝負だと考えています。 これまで(大木地区で)イベントをし続けてきた中で、(町の人が)勝手にやってるわと思ってる人もいれば、一緒にやろうって協力してくれる町の人も出てきたので。
今年の10月のイベントが成功したら、成功するかは分からないですけども、 そこで見極めたい。
これから大木地区全体と一緒にやっていけるのかを。

Q:10月のイベントについて具体的に教えてください。
A:定期イベントのお散歩カフェ※②を大木小学校という大木の皆さんの誇りの場所、誇りのある自分たちのルーツのある場所を使わせて頂く。
そこのこどもたちを巻き込んで、子どもたちっていうても結局50人中5人位が大木の子で、他は全部外(の町)からなんです。
その子(町外の子達も含め)達を起爆剤に地域に来てくれるアーティストの方の作品を一緒にコラボして作って、それを光(オブジェ)として飾ってとか、いろんな子供たちに出展してもらって、子どもたちの育成をできる場所を(大木地区で)作っていきたい。

※②お散歩カフェ
http://minmachi2016.seesaa.net/article/201905-osanpocafe.html

Q:大木の成功例ができたとき、またロールモデルとしてほかのところへ?
A:そうです。
この次は泉佐野市内の商店街です。いま、去年一昨年くらいから(大木地区と)商店街をつなぐラインをつくっていて、商店街の活性化にちょっとずつ着手していって、
今年の11月17日に泉佐野音楽祭に合わせて、 (大木地区産の)無添加スタイルマーケットを袋谷さんにやっていただきます。
そこでちょっとずつここと、大木で別格の空間で採れた素晴らしいものを(過疎地域から)市街地で流通させるというのを今作っています。


泉佐野市大木地区について


山や川、田など、雄大な自然が広がる泉佐野市大木地区。人口は約600人の町です。
大木地区で収穫されるお米は、高城山からの湧き水や樫井川の源流から流れてくる水を使って栽培されていて、本当に美味しいです。

取材時には水源の見学もさせていただきました。
木々に囲まれた森の中で湧き出る水。神秘的な情景でした。

そんなきれいな水が流れる大木には、 水のきれいな場所に住む生物 である、ホタルやイモリも沢山います。
イモリはおたまじゃくしのように田んぼの中に沢山いて、とても驚きました。