9月9日って何する日?💐五節句の最後を締めくくる「重陽の節句」の過ごし方!🍶🛁✨

9月9日は五節句の一つ、「重陽(ちょうよう)の節句」です。

寿命を延ばす力があると信じられていた菊を用いて、長寿や無病息災を願う行事が行われることから、別名「菊の節句」と呼ばれています。

重陽の節句の起源


古来中国では、奇数は縁起が良い「陽数」、偶数は縁起の悪い「陰数」と考えられ、中でも1~10の間で陽数の最大値である「9」は最も縁起が良いとされてきました。その縁起が良い「9」が重なる9月9日を「重陽」と呼び、節句の一つにしたといわれています。

一方、陽数が重なると災いまでも引き寄せてしまうと考えられており、邪気を払い長寿の効能があると信じられていた菊を用いて、邪気払いの風習が根付いたともいわれています。

菊を楽しむ重陽の節句の過ごし方 


日本にも平安時代の初め頃に「重陽の節句」が伝わりました。

この風習は宮中行事の一つとなり、美しい菊を眺めるための「観菊の宴」を開いたり、お酒に菊の花びらを浮かべて見た目も楽しむ「菊酒」などを飲むことで厄払いや長寿祈願をしたのです。

■菊の着せ綿

「観菊の宴」の前日(9月8日)の夜に菊の花に真綿を被せ、朝に菊の香りと夜露を含んだ真綿を使用し、顔や体を拭いて無病息災を祈りました。近世では、白菊には黄色の綿、黄菊には赤、赤菊には白と、菊の花の色によって綿の色も変えるなど細かい決まりもできていたそうです。

■菊酒                                                                                                     

菊を鑑賞しながら「菊酒」を飲み、厄よけや長寿を祈願するという風習がありました。      「菊酒」とは、日本酒に菊の花を漬け込んだお酒のことをいいます。食用の菊を蒸して花びらを器に入れ、日本酒を注いで一晩置くことでお酒に菊の香りが移り、風流な見た目や香りを楽しみます。現代では、菊の花びらを散らした盃に冷酒を注いで飲むことが主流になっています。

■菊湯・菊枕                                             菊を湯船に浮かべた「菊湯」で疲れを癒し、乾燥した菊の花びらを詰めた「菊枕」で眠り、菊の香りをまとうことで安眠効果を得られるといわれています。菊湯に主に用いられているのはリュウノウギクという野生で多く見られる品種で、乾燥したものを使ったり、生のまま使って花びらを浮かべて楽しむのもよいでしょう。

■菊合わせ                                        「菊合わせ」とは、重陽の節句の時期になると各地で行われる、大切に育てた菊を持ちよりその美しさを競う品評会や鑑賞会のことです。

秋の収穫を祝う食事


重陽の節句は作物の収穫時期と重なるため、秋に旬を迎える栗はこの時期のさまざまな料理の主役になります。江戸時代、庶民の間では重陽の節句に「栗ごはん」を食べて祝う風習が生まれました。

そのため重陽の節句は「栗の節句」とも呼ばれています。


今回、無病息災を願う重陽の節句を紹介しました。

今まであまり親しみのなかった方も、今年は風流に菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだり、栗ごはんを味わって家族との食事の話題にするのも良いですね。