もうすぐお正月ですね。お正月といえばお雑煮におせちが定番ですが、
ニシンの昆布巻き、シイタケの煮しめ、田づくり、黒豆に共通することとはなんでしょうか?
……そう、乾物を使った料理だということです。
みなさんは乾物と聞くと何を想像するでしょうか?
干しシイタケ、煮干し、鰹節、昆布、お豆、ひじき、お麩・・・などいろいろ思い浮かぶと思います。
近日、珍しい干し大根を頂いたところ、その美味しさに感激し、干し大根についてもう少し知りたいと感じるようになりました。
今回取り上げるのは乾物のなかでも定番の「干し大根」です!
乾物のメリット
なぜ生で食べられるものを乾燥させるのか。乾物のメリットはどんなもでしょうか。
乾燥させることのメリットは大きく二つあります。
一つは、保存性が高まること!
水分が減ると細菌などの繁殖が抑えられ、長期保存が可能になります。
もうひとつのメリットは、栄養価もアップすること!
大根を干した場合、生の大根に比べて100g当たりの栄養成分の含有量が、カリウムは約14倍、カルシウムは約23倍、タンパク質は約11倍、鉄分は約49倍など、大幅に増えます。
しいたけの場合もエルゴスチンという成分がビタミンDに変化し、干ししいたけのビタミンDは生しいたけの約8倍にもなります。
ほかにも、乾物が含む食物繊維は「不溶性食物繊維」という水に溶けにくい繊維質を含み、
水分を保持し、便のかさを増やして排便を促す作用のほか、発がん性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる働きを持つとも言われています。
いろいろある干し大根の種類
じつは、干し大根にもいろいろな種類があるんです!
一般的な「切干大根」、のほかにも「割り干し大根」、「茹で干し大根」、「凍み大根」、「寒干し大根」などがあります。
切干大根
大根を千切りにして、乾燥した冬の天日にさらして乾燥させたもの。
「千切り大根」と呼ばれることもあり、関東では切り干し大根、関西では千切り大根と呼ぶのが主流です。
蒸し干し大根
千切にして、蒸気で蒸したものを乾燥させたもの。
他の切干大根よりも甘味が強く、早く煮えるという特徴があります。
茹で干し大根
短冊に切って一度茹でたあと干したもの。
長崎県や兵庫県稲美町母里地区で盛んに作られており、大栄大蔵大根という実が固く、茹でても煮崩れを起こしづらい品種の大根で作られています。
割り干し大根
縦に細長く切って干したもの。
切り干し大根の千切りに対して、割り干し大根は縦に8等分や1~2cmにスライスしたものを、天日にさらしながらぶら下げて干します。
切り干し大根より厚みがあるので、歯ごたえが楽しめる利点があります。
凍み大根・寒干し大根
寒い地方の機構利用して、凍結と乾燥を繰り返して干したもの。
軒下に吊るして、夜は凍る → 昼は溶ける → 夜は凍るこのサイクルを繰り返します。
この工程を大体1か月から1か月半くらい繰り返すと出来上がります。凍るのと溶けるのを繰り返しながら干すと、甘みと旨味がより凝縮されるといわれています。
地方により「凍み大根・寒干し大根」と呼び方が異なりますが、作り方は同じです。氷点下になる冬の夜、雪国で作られ、おもに現在では山形県でつくられています。
「きっかけ干し大根」
割り干し大根に似ていますが、切込みの入れ方が独特です。
大根をジャバラに切り、寒風にさらして乾燥させたもの。
シャキシャキとしたたくあんに似た歯ごたえが特徴で、漬物・煮物・油いためによく合います。
ジャバラに切り込みがあるため、手でちぎって食べやすい大きさに分解することができ、とても便利です。
参考レシピ
きっかけ干し大根とこんにゃくのゴマ油炒め
きっかけ干し大根・こんにゃくをゴマ油で炒め、めんつゆで味付けすると、簡単に美味しい炒め物が完成します。
きっかけ干しはぬるま湯で約5分戻せば調理できるため、時短にもなります。
干し大根のはりはり漬け
材料 (4人分)
いかがでしたか。干し大根に興味を持っていただけたでしょう
皆さんも干し大根をもっと食べて、2017年も健康に一年を過ごしましょう!