2023年夏の土用の丑の日は7月30日(日)です。
「土用」とは、日本の暦で季節の変わり目を表す言葉で、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間の期間を示します。
次に、「丑の日」とは十二支の「丑」にあたる日です。昔の暦では、日にちを十二支で12日周期で数えていました。12日周期なので、18日間の土用の間に丑の日が2回巡ってくることもあります。その場合、1回目の丑の日が「一の丑」2回目の丑の日が「二の丑」となります。
土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのは江戸時代から
土用の丑の日は1年に複数回ありますが、土用といえば夏の土用で「うなぎ」を思い浮かべる人が多いはず。
もともと、うなぎの旬は寒くなり脂が乗ってくる初冬です。旬が冬の時期だったため、うなぎは夏には売れない食材でした。そこで蘭学者の平賀源内はうなぎ屋の店先に看板を出すことを提案し、店は大繁盛。その後うなぎ屋の間で評判が広まり、土用の丑の日にうなぎを売ることが当たり前になっていったという説もあります。
うなぎには皮膚などの潤いを保つビタミンA、疲労回復効果・美容効果のあるビタミンB1やB2、DHAなど栄養価の高い成分が多く含まれています。
うなぎ以外の「ウ」のつく食べ物
日本人の身体を守り健やかに過ごすために古くから伝えられる「土用の食い養生」の知恵は、現代でも私たちの生活に役立っています。
うなぎの他にも、土用の丑の日には「ウ」のつく食べ物を食べるとよいとされているので紹介していきます。
■ うどん
消化吸収にもよく、夏バテぎみでも食べやすいうどんは胃腸が弱る夏におすすめです。
■ ウリ
キュウリ、スイカ、カボチャ、ゴーヤー、トウガンなどのウリ科は水分が豊富で、利尿作用が高く、身体の余分な熱を冷ましてくれる嬉しい効果が期待できます。
■ 梅干し
クエン酸が含まれ、疲労回復や塩分補給によいです。梅干しの酸味により唾液も出るので食欲不振の解消や消化吸収をよくしてくれます。
■ 牛の肉・馬の肉
牛肉にはタンパク質、ヘム鉄、ビタミンB2を摂取できるのでスタミナがつきます。馬肉にはグリコーゲンも含まれるため疲労回復効果もあります。
今年は、うなぎだけでなく「ウ」のつく食べ物を積極的に食べ、先人の知恵や風習で季節の移り変わりを感じて、みなさんなりの土用の丑の日を過ごしてみてはいかがでしょうか。