伝統野菜in山形 温海かぶ

「温海かぶ」

根部外皮は暗紫色、内部は白色。皮は薄く、肉質は緻密でやや堅く、甘みがあります。

「温海かぶ」は鶴岡市の山間部に位置する一霞地区(旧・温海町一霞)を中心に、焼畑農法によって栽培されている在来野菜です。

出典:食の都庄内(https://goo.gl/PVDzNv)
シベリアまたは中国東北部から伝来したとされる西洋かぶの一種で、400年近い栽培の歴史を持っています。
栽培地域である一霞の人たちは、種子の純度を保つために、長い間温海かぶ以外のアブラナ属植物を植えないという決まりごとを守り続けてきました。
こうして自家採取された種を蒔く準備が始まるのは、7月に入ってから。
伐採跡地など山の急斜面の下草を刈り取り、刈った草や木が充分乾燥するのを待って8月の旧盆あたりを目安に、炎天下のもと焼畑が行われます。
火を入れた畑にはまだその余熱が残っているうちに種が蒔かれ、その後は途中で間引きをするぐらいで基本的には何も手をかけず、10月に入ると大きく実ったものから次々と収穫されていきます。
温海かぶの収穫は畑が根雪に覆われる12月まで続けられ、そのほとんどが漬物に加工されています。
温海かぶの焼畑は、炎天下での火入れや斜度30度もの急斜面での重労働など、高齢化の進む作り手にとっては決して楽な作業ではありません。
けれども地元の人たちはあくまで焼畑にこだわり続けます。その理由はただひとつ、「かぶが美味しくなるから」。
伝統を守り、本物の美味しさを守る、その頑固なまでのこだわりが、温海かぶには込められているのです。
【美味しい食べ方】
甘酢漬け
【材料(2人分)】
・温海かぶ 12kg
・塩 2カップ
・砂糖 1.2kg
・酢 6カップ
(または5倍酢360cc)
【作り方】
(1)樽に温海かぶを入れ、その上から他の材料を全て入れる。
(2)かきまぜて重石をし、3日くらいしたら再びかき混ぜる。
(3)20日から1ヶ月そのままにしておくと食べごろとなります。
出回る時期:10~12月